当院の取り組み

当院の取り組み | 平成22年

10月院内研修会 「安全な医療提供を目指して」

22年10月院内研修会報告
医療安全対策委員会 発表

医療事故=すべての人身事故
医療過誤=医療従事者の過失によって発生した医療事故
医事紛争=医療に起因する争い
これらを起こさないように日々努力している

転倒・転落
赤外線コール → 病院で使用している
≪特徴≫
  • 見えない2つの赤外線での検知
  • ケーブルなしのセンサー
  • 「自在クランプ」のため取り付けが簡単
  • 音と光での動作確認が可能

医療従事者は、転倒・転落の原因と対応策を常に考えていかなければならない

患者家族との良好な連絡を保っていることが大切です

誤薬事例
薬剤によっては重大な影響があることを念頭に置き、更に注意を払う
専門業務に専念出来る環境作りが必須である
針刺し事例
今年1月よりリキャプ防止のための針ボックスを設置
身体拘束
身体拘束を行うことにより身体的弊害、精神的弊害、社会的弊害が起こる
身体的弊害
  • 関節の拘縮、筋力の低下などの身体機能の低下や圧迫部位の褥瘡発生などの外的弊害
  • 食欲の低下、心肺機能や感染症への抵抗力の低下などの内的弊害
  • ベット柵のケースでは無理な立ち上がり、乗り越えによる転倒・転落事故
  • 抑制具による窒息等の重大事故
精神的弊害
  • 不安や怒り、屈辱、あきらめといった大きな精神的苦痛を人間として尊厳を侵す
  • 認知症の進行、せん妄の頻発をもとらす恐れ
  • 患者本人だけでなく、その家族にも大きな精神的苦痛を与える
社会的弊害
  • 職員の士気の低下を招き、施設などに対する社会的な不信、偏見を引き起こす
  • 高齢者の心身機能低下は、QOL(生活の質)を低下させ、さらに医療的処置を生じることで経済的にも影響を与える
≪事故防止のポイント≫
  • 事故を予見して回避できる能力、察知する力を養う
  • 組織として事故防止に取り組む
  • 情報の共有化を図り、事故防止に役立てる
  • 事故防止のためのシステムを整え、教育を行う

人間は環境の影響を受けやすい為、注意も記憶も完璧ではない

毎日の業務に緊張感を持ち、慎重に行う必要がある

医療従事者は、社会的責任を負うことになる為、専門職業人であることを自覚する

医療安全に終わりはない

継続的な努力によって維持していくものである

6月院内研修会 「ヒューマンエラーについて」

平成22年 6月24日(木)
講師  ㈱アトル
記録  (介護福祉士)

1.ヒューマンエラーとは何か?
人為的な「ミス」・・・
  • 達成しようとした目標から意図せずに逸脱することとなった期待に反した人間行動である。
  • 計画された一連の精神的又は身体的活動が意図した結果に至らなかったものとしてのエラー
  • 当初意図した行動が、故意にではなく、達成できなかったこと
どんなに知識や経験が豊富な者でも、時として「うっかりミス」「ど忘れ」「判断ミス」をしてしまうことがある。
すなわち、「人間はエラーを犯す生き物」(基本特性)なのである。
2.病院等におけるヒューマンエラーを誘発させる情緒的要因
あせり 時間的切迫は、手順の省略・短絡・乱れ・読み違いなどを促進する
面子、忠実心、組織への高い帰属性 待っている患者に早く薬を渡したいなど、過度に一生懸命になると、エラーを起こしやすくなる
疲れ、単調、退屈 同一の作業の繰り返し、簡単な作業の持続による単調、退屈、生活リズムの乱れや疲労により、情報処理能力は全般的に低下する
怒り 何らかの理由で怒りや攻撃的感情を抱き、感情的平静を失ってるときは情報処理精度を突発的に狂わせてしまう傾向がある
おごり 熟練者は行動パターンが固定化し、過剰の自信をもつ。その結果、「大丈夫」と自己納得してエラーを起こしたり、「慣れているから省略してもよい」などと考えてミスが起こる
3.看護師のヒューマンエラー
注意力不足 知識・技術の未熟 観察管理不十分
1.患者を間違える(同姓同名) 1.薬液の濃度 1.ベッドからの転落
2.誤薬(種類・施用量・禁忌) 2.薬品の配合変化 2.床上の転倒
3.異型輸血(確認ミス) 3.注射手技による神経(損傷)麻痺 3.包帯・ヒモなどによる血行障害
4.検査物の取り間違い(確認ミス) 4.注射部位の間違い(静・動脈) 4.無断離院
5.機械類の取り扱いを間違う(操作ミスなど) 5.注射薬の注入速度 5.新生児の拉致、取り間違い
6.患者輸送中の転落 6.注射薬の血管外漏れ 6.自殺など
7.感染(消毒滅菌・汚染も含む) 7.機械類の誤操作 7.不審者の侵入

職種経験年数(全事例)

経験年数 件数
0年 5,598
1年 4,440
2年 3,621
3年 2,668
4年 2,212
5年 2,039
6年 1,598
7年 1,343
8年 1,154
9年 988
10年 1,342
11~20年 5,928
21年~30年 3,189
30年超 488
当事者複数 1,788
年数不明 4,473
  42,869
4.まとめ

多くの医療現場は現在、人手不足が最大の課題であり仕事の需要量を推定して事業計画を策定できない。

業務を拒否できないことから人間が仕事をする許容範囲を超過しても継続・続行しなくてはいけない。

また、非常事態も想定されるという特殊な分野であると考えられます。

※ 人が人を相手に働く医療・看護の現場でのヒューマンエラーは、直ちに事故につながってしまうことが多いのでその発生をできる限り抑えなければなりません。

人間である以上ヒューマンエラーをゼロにすることは不可能です。

しかし、ヒューマンエラーの起こる確率を下げる努力をし、ヒューマンエラーがおこりにくくする環境を整えることが重要です。

4月院内研修会 「褥瘡と栄養」

平成22年4月28日
講師 ネスレニュートリション 本山一徳氏

1.褥瘡のメカニズム

褥瘡とは、臨床的には、患者様が長期にわたり同じ体勢で寝たきり等になった場合、体と支持面(多くはベッド)との接触局所で血行が不全となって、周辺組織に壊死を起こすものをいいます。また、床ずれとも呼ばれます。

褥瘡の50%以上は仙骨部に発生します。発生要因として、圧迫と同一体位、皮膚の摩擦やずれ、失禁や湿潤、低栄養が考えられます。

2.褥瘡の分類、DESIGN

DESIGNツールとは、創面の評価をDepth(深さ)、Exudate(浸出液)、Size(大きさ)、Inflammation/Infection(炎症/感染)、Granulation tissue(肉芽組織)、Necrotic tissue(壊死組織)の6項目で行う、褥瘡状態判定スケールです。今回の研修ではDESIGNツールで褥瘡状態を把握し、褥瘡の観察ポイント、褥瘡の治癒過程を学びました。

3.褥瘡の治療・予防

治療・予防の3本柱は、①体圧分散、②スキンケア、③栄養管理です。

①体圧分散では臥位、坐位での対応方法と体位変換のポイント

臥位時の体圧分散
<体位変換>  2時間毎、側臥位30度
<用具の使用> エアマットレス
坐位時の体圧分散
<姿勢保持>  90度坐位、車椅子の選択
<用具の使用> 降圧クッション
体位変換のポイント
  • 摩擦抵抗の低い寝具を使用
  • 体位変換順序
  • シーツのしわに注意
  • 背抜きを忘れずに行う

②スキンケア

  • 摩擦防止
      皮膚乾燥時:親水性クリーム、摩擦防止:半透過性フィルム
  • ずれ防止
      圧迫部マッサージ禁止、ギャッジアップ30度以下
  • 湿潤対策
      清拭:弱酸性洗剤を使用、暑いお湯禁止、皮膚をこすらない
  • 失禁対策
      おむつ:高吸水ポリマー、シーツの洗濯

③栄養管理では褥瘡回復期段階での必要な栄養素

  栄養素 欠乏症状
炎症期
(黒色期/黄色期)
炭水化物、たんぱく質 白血球機能低下、炎症期の遷延
増殖期
(赤色期)
たんぱく質、亜鉛、銅、ビタミンA、ビタミンC 繊維芽細胞機能低下、コラーゲン合成機能低下
成熟期
(白色期)
カルシウム、亜鉛、ビタミンA、ビタミンC コラーゲン架橋形成不全、コラーゲン再構築不全、上皮形成不全
4.まとめ

 今回の研修で、褥瘡の基礎知識を学ぶことができました。特に栄養について詳しく学ぶことができたと思います。研修の中で症例報告があり、重篤な病態下に発生した褥瘡でした。栄養管理を中心にアプローチを行い、褥瘡治癒した症例で、栄養管理の重要性を再確認できました。

当院には、寝たきりの患者様がおり、その中には褥瘡発生する方もいます。今後は、NST(栄養サポートチーム)、褥瘡対策チームおよび病院スタッフとの密接な連携を行い、体圧分散、スキンケア、栄養管理をおこない、褥瘡の治療・予防に取り組みたいと思います。

3月院内研修会 「口腔ケア勉強会」

平成22年3月24日
レポート  柴田 正生

今回はビーンスターク・スノー(株)の方をお招きし、口腔ケアーに付いてスクリーンを見ながら行いました。

口腔ケアとは、口腔衛生の改善の為のケア、すなわち口腔清掃を示しますが、最近では口腔全般に関するケアを全ていいます。
実際には歯石の除去、義歯の手入れ、簡単な治療まで含み、さらに摂取、咀嚼、嚥下訓練までを含むことが多いようです。
特に、高齢者にとって清潔で快適な口腔を維持することは、美味しく食事を摂り、有意義な生活を送る
ことだけではなく、誤嚥性肺炎の予防につながると言えます。
脳卒中などの後遺症のために、歯ブラシが上手く使えなかったり、口腔の機能が低下すると、虫歯や歯周疾患が増加して、口腔内細菌数も増加します、その上、摂食障害、嚥下障害が加わると肺炎の頻度も増すことになります。
これからは、口腔ケアにより、改善可能であり、出来るだけ本人が行い不足部分を介護者が手助けするよう指導することが望まれます。

ご家族で出来る口腔ケアの方法
(準備する物)
歯ブラシ又はスポンジブラシ、コップ、レフレケアH,ゴム手袋、ガーゼあるいはハテッシュ
(始める前に)
汚物を飲み込まないように、ベットを30度にリクライニングさせ、あごをしっかりと引き誤嚥を防ぎます。握手などスキンシップをして、リラックスして頂きましょう。
(ステップ1、加温する)
  1. スポンジブラシ又は指先にリフレケアHをつけ、唇の上下に優しく塗ります。お口まわりを潤す事で、乾燥を防ぎ、開口しやすくなります。
  2. 唇中心から口角に向け指先を入れ、開口が確保できたら、リフレケアHをつけたスポンジブラシをそっと入れ、粘膜全体に塗布します。
  3. 舌にも汚れがついているようなら、奥から手前へと塗ります。ポイントは、このひと手間がこびりついた汚物をふやかし、汚物を容易に除去できます。
(ステップ2、清掃する)
  1. 数分後、歯と歯の間に歯ブラシの毛先をいれて、小刻みに動かしながら細かく磨いていきます。義歯もきれいに磨きましょう。歯のない方は、再びスポンジブラシで汚れを絡みとりましょう。
  2. 全体の汚れがとれたら、水をいれたコップでブラシをよく濯ぎ、水気をよくきって仕上げのふき取り、ポイントはこの濯ぎを十分にすることがうがいの役割になります。
(ステップ3、保温する)
  1. 口腔ケアの仕上げに、口腔内全体にリフレケアを塗布しましょう、ポイントは、口腔内が潤う事により細菌の増殖を抑える事が期待できます。

まとめとしまして、今回の院内研修で学んだ事を生かして、業務でも活用し、口腔ケアを行っていきたいです。