当院の取り組み

当院の取り組み | 平成20年

10月院内研修会「インスリン注射器の正しい使い方について」

10月22日、日本イーライリリー株式会社の方をお招きして、インスリン注射器の正しい使い方についてお話いただきました。
低血糖とは
低血糖とは、血液中の糖分が少なくなりすぎた状態。
症状 : 冷汗 動悸 手指のふるえ ぼーっとする 目がかすむ 倦怠感
低血糖の危険信号
  • インスリン注射したのに、食事をしなかった。
  • インスリンの設定量を間違えた。
  • 食事の量が少ない、食事の時間が遅れた。
  • 運動量が多すぎる、空腹時に激しい運動をした。
低血糖が起きてしまったら
  1. すぐに糖分を補給する。(ぶどう糖 砂糖 清涼飲料水)
  2. 車を運転しているときは、すぐに車を停めて対処する。
  3. きちんと対処すれば、普通15~20分で治る。
こんな時は病院へ行きましょう
  • 下痢や嘔吐で食事が全くとれないとき
  • 高熱
  • 尿ケトン体が強陽性 血中ケトン体が高値で、血糖値が350mg/㎗のとき
空打ち
必ず、行うこと。注射針の先からインスリンが流れ出てきて、注射の準備が出来ていることを確認してください。
注射
  • 主治医から指示された方法で、注射をしてください。
  • 注射をするときは、単位設定ダイアルを回さない。単位設定ダイアルを回すと、インスリン注射されません。
  • 注射の途中で設定した単位を変更しない。
  • 注射終了後は速やかに注射針をとりはずす。

9月院内研修会「褥瘡ケアの知識について」

平成20年9月24日
講師 smith & nephew 福岡営業所
笠次 宏 氏

褥瘡の定義
  • 身体に加わった外力は、骨と皮膚表層の間の、軟部組織の血流を低下あるいは停止させる。 この状況が一定時間持続されると、組織は付加逆的な阻血性障害に陥り褥瘡となる。
  • 褥瘡の後発部位は、皮下脂肪組織が少なく、生理的に骨が突出している。 後頭部・肩甲骨部・肘頭部・仙骨部・腸骨部・大転子部・坐骨部・踵部等である。
体位交換時間
  • 体位交換時間は原則的に2時間ごと。
  • 体圧分散用具を使用していても、定期的な体位交換は必要である。
  • 体位交換後は身体の下側でマットレスや布団から圧迫されていた。
骨突出上の皮膚を観察する。
  • 皮膚に発赤がみられれば、その部位に褥瘡発生の危険性があることを意味するので、体位交換時間を2時間より短くする必要がある。
体圧分散寝具選択基準のポイント
  1. 圧力の大きさを小さくする。 接触面積を広くして圧力を減少させる。
  2. 圧力持続時間を短くする。 骨突出部を一時的に浮かせて、圧力の加わらない時間を作る。
  • 30度側臥位が安楽な体位でなく、自分で身体をわずかずつ移動させ、好みの寝姿勢にもどってしまう患者。
  • るいそうが強く、殿部支持組織がなく仙骨部突出が著名な患者。
  • 30度側臥位が褥瘡予防として適切でない患者。
ずれが原因!!
  • 坐位が半坐位の状態で体がずり落ちてくると、皮膚と 深部組織には、それぞれ反対方向へ強い力が働きずれが生じる。
※ 創周囲皮膚のスキンケア
  • 創周囲にはコレステロールが健常皮膚より有意に存在した。
  • コレステロールのような油性の汚れは、生理食塩液の洗浄のみでは除去できない。
※ 褥瘡の洗浄方法
  • 洗浄液は生理食塩水、または、蒸留水、水道水を使用してもよい。
褥瘡の局所ケア手順
  1. 創周囲皮膚のスキンケア→弱酸性の石鹸でよく泡立てて優しく洗う。
  2. 創周囲の石鹸分を微温湯で洗い流す。
  3. 生理創洗浄・水圧・量・温度
  4. 適切な被覆材・薬剤の選択と処置
  5. 適切な固定
まとめ
皮膚の生理機能を最大限に保つ為に、バリア機能を持つ表皮をいかに維持できるか、脆弱な皮膚である「ドライスキン」と「浸軟」に対し、愛護的な皮膚の清潔と、外的刺激から、表皮を守る、保護がスキントラブルを予防するうえで重要である。

8月院内研修会「経腸栄養剤について」

今回は株式会社大塚製薬の長谷川様をお招きし院内研修を行いました。
最近では経腸栄養剤を行う患者様が増えていると言われています。必要性が増大し、その為のリスクマネジメントが重要であるとの事です
経腸栄養に用いられる器具
経鼻カテーテル、胃廔カテーテル、腸廔カテーテル
経腸栄養バック、栄養管セット
経腸栄養に伴う様々なリスクとその原因、対策について解りやすく解説した資料を参考に私なりにまとめてみました。
機械的合併症
☆ 経腸栄養カテーテル、経腸栄養ルートの閉塞
<リスク>
  • 栄養剤が投与できないことによる、栄養状態の悪化
<原因>
  • 栄養剤の投与速度が遅い。
  • 栄養剤に薬剤やジュース、食塩などを混入している。
  • 経腸栄養カテーテルの径が細すぎる。
  • カテーテルや栄養管セットのねじれ
<対策>
  • 投与速度を適切な速度に調節する。
  • 4~4時間おきにフラッシング。
  • 消化態経腸栄養剤の使用。
  • カテーテルの径が8Fr以上のものを使用する。
  • 粘度の低い消化態経腸栄養剤の使用。
☆ 経腸栄養ルートの誤接続
<リスク>
  • 栄養剤の静脈内誤投与
<原因>
  • 栄養管セットの取り違え
<対策>
  • 誤接防止タイプのシリンジ、コネクタを使用する。
☆ 経腸栄養カテーテルの事故(自己)抜去
<リスク>
  • 投与不可能
<原因>
  • 鼻腔、咽頭の違和感。
  • 経腸栄養カテーテルの固定が適切でない。
  • 栄養剤の投与について患者様やご家族様の理解が得られてない。
<対策>
  • エレファントノーズ法などの固定方法。
  • 経腸栄養カテーテルの必要性と意義を十分に理解してもらう。
☆ 経腸栄養カテーテルの誤挿入
<リスク>
  • (経鼻カテーテルの場合)栄養剤の気管内投与=肺炎
  • (胃廔カテーテルの場合)栄養剤の腹腔内注入=腹膜炎
<原因>
  • 留置時の誤操作
<対策>
  • 栄養剤の投与前に留置位置を確認する。
☆ 逆流(誤嚥)=(消火器系合併症)
<リスク>
  • 誤嚥性肺炎(吸引性肺炎)逆流性食道炎
<原因>
  • 栄養剤の投与法が患者さんにあってない。
  • 栄養剤の投与時および投与後の姿勢。
<対策>
  • 経鼻カテーテル場合12Fr以下のカテーテル。
  • 注入ポンプの使用。
  • 投与時および投入後の30分以上、患者さんの上体を30度または、90度に挙上する。
☆ 経腸栄養カテーテルの(事故)自己抜去
<リスク>
  • 投与不可能
<原因>
  • 鼻腔、咽頭の違和感。
  • 経腸栄養カテーテルの固定が適切でない。
  • 栄養剤の投与について患者様やご家族様の理解が得られてない。
<対策>
  • エレファントノーズ法の固定方法。
  • 経腸栄養カテーテルの必要性と意義を十分に理解してもらう。
☆ 経腸栄養カテーテルの皮膚刺激、感染、鼻翼変形
<リスク>
  • 皮膚炎、食道炎
<原因>
  • 経腸カテーテルを同一箇所へ長期固定している。
  • 事故(自己)抜去を防止するために念入りに固定している。
<対策>
  • できるだけ細くて柔らかい経腸栄養カテーテルを使用する。
消化器系合併症
☆ 下痢
<リスク>
  • 脱水、電解質異常、微量元素欠乏(栄養状態のQOLの低下)
<原因>
  • 調製後の栄養剤の細菌汚染、投与速度が速すぎる、浸透圧が高い、組成が患者様の体質に合っていない、冷たい。
  • 絶食時間が長い(腸管粘膜が萎縮している恐れがある。)
<対策>
  • 調製の必要がない液状タイプの栄養剤を使用する。(ラコール、ツインライン)
  • 栄養剤はできるだけ早く使いきり(24時間以内、冷蔵庫保存)
  • カテーテルのフラッシング、イルリガールを清潔に保つ、投与速度の調整、乳糖が含有されていない栄養剤、脂肪含有量の少ない栄養剤。
  • 栄養剤が冷たい場合は常温に戻す。(加温による細菌繁殖に注意する。)
☆ 便秘
<リスク>
  • 腹部膨満
<原因>
  • 水分の摂取量が不足、便秘を起こしやすい薬剤、食物繊維を摂取してない。
<対策>
  • 適切な量の水分
☆ 代謝性合併症
  • 代謝性合併症は患者様の病態のみならず栄養剤の種類などに関連して発生が起きるもので脱水、血清電解質の上昇、低下、高、低血糖などの症状を起こすものもあります。意識障害、循環障害、下痢などは、脱水から起きていて下痢が長期間続くと、消化吸収能力が低下して潰瘍性大腸炎などを起こす場合もあります。投与速度が速いと血糖が上昇、低血糖は投与速度が速い場合、急に投与をすると高インスリン状態が維持され、ダンピング症候群の低血糖になることがある重篤な症状。
  • 合併症、医療事故を防ぐ為にも安全で適切な経腸栄養を必要性がありそのためにチェックリスト(リスクマネジメント)を作成して行う庫太が重要であると思いました。

7月院内研修会「デンマークの福祉について」

今回、海外研修に行かれた、山田理学療法士が研修報告を兼ねてお話されました。
デンマークとは
  • 世界で一番住みやすい国といわれている
  • 高い税金
    • 教育、医療が基本的に無料
    • 国民健康保険 すべて税金でカバー
      国民背番号制
    • 出産費用から葬儀費用まで国が負担
    • デンマークの人は高負担とは思っていない。高齢になった後は国がすべて見てくれる。
    • 自分に必ず返ってくるので負担はない。
  • 福祉先進国
  • 幸福度世界1位
地方分権
国の役割 : 予算 法律 国民年金 高等教育 成人教育
県の役割 : 医療 障害者福祉の一部 中等教育 障害者教育
市の役割 : 福祉 義務教育
高齢者福祉の3原則
  1. 自己決定(いつでも自分らしく生きる)
  2. 継続性(住み慣れた地域でいつまでも)「出来るだけ自分の家で」暮らすこと
  3. 残存機能の活用
なぜ手指衛生が守れないのか
時間の問題・・・
業務に追われる、手指衛生の重要性が理解されていない。
環境の問題・・・
手洗いの設備が不充分、皮膚への影響、手荒れがひどくなる。
トランスファーの重要な原則
  1. 絶対に持ち上げない
    垂直の動きを水平へ「引く」「押す」「回転させる」少しずつ動かす
  2. 利用者の積極的な参加
    残存機能の活用 利用者自身が動く
  3. 自然な動き
    誰もが日常しているような動作
  4. 摩擦
    ポジティブな摩擦をフルに活用し、ネガティブな摩擦は出来るだけ取り除く
  5. てこの原理
    ポジティブにもネガティブもにもはたらく
今回学んだ事をふまえ、出来ることから、取組んでいかしていけたら思います。

5月院内研修会 院内感染研修「正しい手洗い方法」

一処置、一手洗いが基本原則
(手洗いの励行は感染経路口社団する最も有効で簡単な方法である。)
職員全員の手洗いが院内感染の予防につながる。
なぜ手指衛生が重要か?
 医療行為に携わる人の手指は、院内感染の大きな原因。手指から有機物の汚れや、付着している感染の原因となる一過性細菌(通過菌)を除去する。
主な一過性細菌
  • 黄色ブドウ球菌(MRSA含む)
  • 大腸菌
  • 緑膿菌
  • セラチア菌 等
主な一過性細菌
  • 表皮ブドウ球菌
  • ミコロコッカス
  • パシウス 等
患者様に病原体を伝潘指せない。自分自身を病原体から守る。
手指は、どれだけ汚れているか?
看護師の手指の29%は、約3800個の黄色ブドウ球菌、保有している。集中治療室のスタッフの21%は手指に黄色ブドウ球菌を保有している。看護師の17~30%は手指に3400~38000個にも及ぶグラム陰性桿菌が付着している。
指輪をしている手指に付着する平均的な菌数の約10倍の値が付着している。
なぜ手指衛生が守れないのか
時間の問題・・・
業務に追われる、手指衛生の重要性が理解されていない。
環境の問題・・・
手洗いの設備が不充分、皮膚への影響、手荒れがひどくなる。
手洗い方法(2002年ガイドライン)
  • 手指が目に見えて汚れていない場合
    速乾性擦式手指消毒薬、又は、抗菌性石鹸(消毒液) + 流水
  • 手指が目に見えて汚れているとき。(血液、体液などで汚染)
    抗菌性石鹸(消毒薬) + 流水よりも細菌を減少させる。
洗い残しをしやすい部位
  1. 爪の先
  2. 親指
  3. 指間
  4. 手背
  5. 手掌
  6. 手首
手洗い
手洗い終了後、ペーパータオルで指間まできれいに拭いたあと手動水道栓は手を拭いたペーパータオルで閉める。
手荒れ防止
手荒れ部位は病原体汚染の危険性が高まる。皮膚保護剤使用しアフターケアが必要。(チューブ式で自分専用にしておく)
  • 手洗いは10秒以上(20~30秒)。
  • 速乾性擦式手指消毒薬は、乾燥するまで皮膚に擦り込む。
  • 1回に使用する消毒薬の量は3ml.(ノズルをゆっくり押し切った量)

3月院内研修会「輸液について Part Ⅱ」

平成20年3月26日
レポート 竹下(介護部)
講師 株式会社 大塚製薬工場
輸液について、2回目の研修となりました。今回は、輸液の主な栄養素と、その人体への作用・影響について勉強しました。
栄養素の役割
栄養素 主な役割
糖質 エネルギー源
蛋白質(アミノ酸) からだの構成成分(筋肉など)
脂質 エネルギー源、細胞膜の構成成分
ミネラル・ビタミン からだの機能調節
栄養補給の選択基準
  • 栄養療法とは、低栄養状態に陥っている患者さんの栄養状態を正常に保つことにより、疾患の治療効果を高めたり、生命維持を図ることです。
  • 栄養補給の方法は、栄養素の投与経路の違いにより「静脈栄養」と「経腸栄養」の2つに大別されます。
  • 消化管機能があり、かつ消化管が安全に使用できる場合は、生理的な投与経路である経腸栄養が第1選択となります。一方、消化管が使用できないか、使用しない方が望ましい場合は、静脈栄養が選択されます。
  • 経腸栄養の投与経路は、短期間(4週間未満)の栄養管理には経鼻法が、また、長期にわたると予想される場合には、経瘻孔法が選択されます。
  • 静脈栄養は食事ができない期間が2週間までの場合はPPN(抹消静脈栄養)が、それ以上の長期間にわたると予想される場合はTPN〈中心静脈栄養〉が選択されます。
【PPNの注意点】
  • 適応に好ましくない患者
    1. 高度の栄養不良患者
    2. 長期栄養管理を必要とする場合
    3. 水分制限のある腎・心疾患患者
    4. 抹消静脈の確保が困難な場合
  • 主なトラブル
    1. 血管痛・静脈炎
    2. 血管外漏出
    3. 感染症
    4. 血腫
【TPNの注意点】
  • 急に投与を開始したり、急にやめたりしてはいけません。
    (導入期 → 維持期 → 離脱期)と、経過を十分に観察しながら行います。
  • 主なトラブル
    1. カテーテルによる合併症
    2. 代謝に基づく合併症
感想

今回の研修で学んだことを踏まえて、輸液留置の患者様の状態を慎重に観察し、医師・看護師と連携して、日常の業務に努めたいと思います。

1月院内研修会「体圧分散式マットレスの選択の重要性(褥瘡)について」

講師 株式会社 モルテン
今回の院内研修は、(株)モルテンさんによる「体圧分散式マットレスの選択の重要性(褥瘡について)」です。
褥瘡の基礎知識、発生要因、対策方法などを分かりやすく解説していただきました。
褥瘡とは

身体の局部に圧迫力やずれ力が加わり、持続的に血流が阻害された時に生じる組織内部からの潰瘍です。

圧迫力とずれ力

体重がマットレスや椅子などにかかると、マットレスや椅子側から反対の力(反力)として、圧迫力やずれ力が身体にかかります。この力により組織内部の血管が押しつぶされて血流が悪くなります。

圧迫力やずれ力の組織内部での影響
  1. 皮膚表面に圧迫力やずれ力が加わり、
  2. 組織内部で(圧縮・引張・せん断)応力に変換され、
  3. 応力が毛細血管を変形させ血流が阻害され、その結果、
    ●不快感→●痛み→●しびれ などの危険な状態となり、
  4. この状態のまま放置すると、組織が壊死して褥瘡となります。
圧迫力やずれ力がかかりやすい身体箇所(褥瘡の出来やすい箇所)

人間の体重の約50%を殿部が支えているため、圧迫力・ずれ力がかかりやすいのは仙骨部~尾骨部です。次に骨が出っ張っている踵、大転子、腸骨稜部となります。

ずれ力とずれるの違い

ベッドギャッジアップ時にわかることですが、頭部(背中)を上げる際に重力やベッドの構造により、身体が下に落ちたり前に出たりする現象を一般的に「ずれる」と言われます。正確に表現するならば、「ずれる」ではなく、“身体が下や前に移動する”ということで、褥瘡発生外的要因である「ずれ力」とは異なります。「ずれ力」とは皮膚表面に平行な方向にかかる外力のことです。

ベッド上でのずれ力の発生メカニズム

ずれ力発生の原因として、下記の2点が挙げられます。

  • 滑りにくい(摩擦係数の高い)シーツや寝衣を使用している。
  • ベッド操作で膝を上げずに背中を上げるため身体を前に押し出す。
ベッド上でのずれ力の対策方法
  • 滑りやすい(摩擦係数の低い)シーツや寝衣を使用。
  • ベッドの操作でポジションを安定させ安楽で安全な姿勢を造る。
  • 背抜きを行う。
感想

体圧測定器を使用し、ベッド上背臥位時、ギャッジアップ坐位時などの体圧を実際に測定しました。どのような肢位でどの部分に強く体圧がかかるかを実際に測定し、背抜きなどの除圧の必要性を再確認できました。患者様に、ベッド上や坐位時での、快適で安全な姿勢を提供することが出来るよう、今後心がけたいと思います。