グループホームゆうゆう

隼人温泉病院
平成26年1月1日 発信

 皆様におかれましては、健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。入居者そして職員も元気で新年を迎えました。
 私たちは、認知症高齢者が生かされる介護ではなく、その日、その時その瞬間を精一杯生きる支援を心がけて参ります。
 本年もグループホーム「ゆうゆう」をよろしくお願い致します。


■ 餅つき会
 昨年12月28日に入居者とご家族、法人が運営する託児所「クレヨン」の子供たちと保育士、設備管理課とホームの職員による恒例の 『餅つき会』 を開催しました。杵と臼を使った本格的な餅つきとあって、皆さん気合を入れて臨みましたが、初体験の託児所児童は、身体より大きな杵をよろめきながらも一生懸命についてくれました。
「ヨイショ! ヨイショ! 」のかけ声に合わせて、次から次に搗きあがるホッカホカの餅を総出でちぎって丸めたり、蒸かしたサツマイモを混ぜた芋餅(年重:としかさ)をこねたり全員で手際よく仕上げ、小豆の餡(あん)や黄粉で美味しくいただきました。



 昨年11月10日に霧島市隼人町富隈地区で認知症高齢者見守りネットワーク協議会主催の徘徊模擬訓練『どけ行ったろ徊(かい)?』が開催され、霧島市地域密着型サービス事業者連合会、霧島警察署、霧島市消防局、霧島市役所、隼人地区民生委員児童委員連絡協議会隼人地区長寿会、霧島市社会福祉協議会、霧島市地域包括支援センター、医療福祉関係者ならびに富隈地区自治会住民の皆さんが参加して行われました。なお、当ホームから松田紀子(管理事務)・村岡宏章(管理者)が取材を兼ねた写真記録係で参加しました。
 徘徊模擬訓練とは、道に迷って自宅に帰れずに困っている認知症高齢者の発見、声かけ、保護などの体験を通して、それぞれの役割を理解しながら認知症高齢者への接し方を学び、警察や消防、家族に通報・連絡して事故を未然に防ぐことを目的に、地域全体で見守る体制づくり(徘徊SOSネットワーク)と地域住民一人ひとりが認知症に関心をもっていただき、適切な対応と連携を図るための訓練です。
 当日は朝からあいにくの雨模様で、会場の富隈地区公民館ではロールプレイングによる徘徊模擬訓練に変更しての開催となりました。認知症高齢者に扮した高齢者福祉施設の職員5名が予め設定された認知症状で徘徊し、参加者が「何かお困りですか?」「大丈夫 ですか?」「どこに行かれますか?」「家はどこですか?」などの声をかけましたが、声をかけた内容と違った返事に困惑する参加者や問いかけに戸惑う徘徊者など、お互いに焦って悪戦苦闘する場面が見受けられました。また、訓練の前後で、たけちゃん一座による介護劇「こいがボケじゃろかい!?」が公演され、認知症の霧島トメさんが家庭や地域で引き起こす問題行動に家族や住民は手を焼いていましたが、病院を受診して認知症とわかり、医師から周囲の理解と協力が大切であることを説明され、トメさんは家族や地域の住民に温かく見守られながら、安心して暮らせるようになったのでした。
 訓練はあくまで認知症の人の言動や特徴から対応法を学び、行方不明になった場合の早期発見と保護を目的とする捜索前の基本的な声かけ訓練で、実際は認知症なのか?徘徊しているのか?情報(名前や住所、服装など)がない場合、それを見極めるのは難しい のが現状です。ところが、訓練から約2週間後、偶然ホームに面した道路を徘徊する高齢者と遭遇しました。パジャマ姿で、歩行がフラついて真っ直ぐ歩けない状態でした。また、独り言をつぶやきながらキョロキョロして落ち着かない様子で、すれ違ったあとで尿臭が漂ってきました。「こんにちは。どちらに行かれるんですか?」と声をかけると「人に会うのよ。すぐそこだから…」と言うものの、一人で行ける状態ではないと判断し徘徊模擬訓練ホームで保護しました。
幸いに名前と生年月日を聞き出せたので、近隣の病院や施設、霧島市役所に問い合わせたり、日当山派出所に通報して家族と連絡が取れ、発見から2時間余りで家族のもとへと無事に送り届けることができました。
 今回の一連の対応は、徘徊模擬訓練に参加したことがおおいに役立ち、訓練の必要性を実感しました。認知症になっても安心して暮らせる町づくりを目指して、これからも活動していきたと思います。


■ 特攻隊員の遺品
 昨年12月13日、管理者(村岡)のもとに特攻隊員の遺品が届きました。 昭和20年4月14日に旧海軍鹿屋飛行場(現海上自衛隊鹿屋航空基地/鹿児島県鹿屋市)から神雷特別攻撃隊:第六建武隊の隊長として零戦に500キロ爆弾を抱えて出撃し、23歳の若さで戦死した中根久喜海軍中尉の実家(茨城県)を昨年10月に訪問したのがきっかけで、ご遺族から遺品の管理を委託されたのでした。遺品箱には遺書や遺影写真のほか、武運長久の国旗や軍刀などが納められ、これら遺品を同世代で戦争を体験した入居者の皆さんに直接手に取ってご覧いただきました。そして、当時を思い出しながら「若くして亡くなって可哀そう」「立派な最期でしたね」と遺影をじっと見つめながら涙して、遺徳を偲びました。
 これらの遺品は、戦争、とりわけ特攻隊の存在を風化させないよう後世に残し、史実を伝えていくための戦争遺産として、近く戦争史料館に寄贈する予定ですが、戦争が未来ある若人の命を奪い、家族が遺され、悲しみと尊い犠牲のうえに今の平和な日本と私たちの暮らしがあることを心から感謝し、全員で黙祷を捧げました。


【編集後記】
 あけましておめでとうございます。
 今年は消費税増税や診療報酬改定など、生活や高齢者医療に直結した制度の見直しが 行なわれる。私たちの暮らしや医療サービスはどう変わるのか? 身近に安心を実感でき るのか?…政治の動向から目が離せない!
 今年も 『ゆうゆう便り』 をよろしくお願い致します。